框戸(かまちど)
家具職人五味です。
今回はしっとりと框戸についてです。
框戸とは枠で組んだ無垢の扉の事を言います。
建具を吊る場所によって、ガラスやポリカーボネートなどの
様々な素材を入れる事により用途を使い分ける事ができます。
新築やリノベーションなどで主に家の中心となる場所の入り口に提案させて頂く事が多いです。
建具を構成する4本の木材ですが、目通りの良い高級な柾目材を使用しています。
柾目は目切れが無く見た目が良い事に加えて、木材の質としては最も狂いの少ない素材です。
四本の枠だけで構成される框戸にとって材の狂いは致命的な捻れとなって現れることとなります。
捻れた建具は上端と下端がの位置が10mmも20mmずれてしまう事になりかねません。
框戸の加工で部材の接合は「ホゾ構造」で組んでいます。
ホゾは強度が有り捻れを抑えたり、框戸との相性が良いのですが多少の技術を求められるので、
昨今では建具屋さんでも敬遠される事が多いです。慣れてしまえば基本的な楽しい木工技術の一つです。
ホゾに変わる加工としてはダボ構造やドミノなどが有りますが長期的な強度に欠点が有り、後に剥がれて脱落するなどの事例を沢山見てきました。建具に限って本質的にはホゾに変わる構造は無いものと思っております
少し専門的な話しでしたが、普段どんな事を考えて木工をしているかを少しお話ししてみました。